話題の新刊書『おもしろ雑学 日本地図のすごい読み方』からの抜粋で、日本全国、北から南まで、日本地理の知られざる仰天知識を紹介する。今回は、なぜか番地表示が2丁目から始まる町、水道・学校・電話番号すべて他県に依存する地域など、ちょっと変わったエリアがテーマ。
比較的最近の町名なのに
なぜ1丁目がないのか?
町を整理するため区分するひとつが「△丁目」という番地でくくる方法だ。一般的には、1丁目1番、1丁目2番、……2丁目1番と振るのがふつうだろう。ところが、兵庫県尼崎市が管轄する町のなかに、1丁目が存在しない町がある。それが市の北西部に広がる武庫地区にある武庫豊町である。
もともと「常吉」がこのあたり一帯の名前だったが、1965(昭和40)年に西武庫団地建設が始まった際、区画整理が行なわれ「武庫豊町」という町名が誕生した。
比較的最近の町名なのに、なぜ1丁目が設けられなかったのだろうか。
経緯はこうだ。尼崎市は団地の建設に際して、県道尼崎宝塚線から西へと順番に1丁目、2丁目、3丁目と整備していく計画を立てていた。ところが、なぜか1丁目の整備は後回しにして、優先して2丁目と3丁目の整備を始めたのである。後回しになった理由は定かではない。