米国債の利回りがここ数カ月にわたり低下基調にあることで、インフレはおそらく、米国や世界経済が直面している最大の問題ではないとの見方が広がっている。19日の米国株急落は、市場にとっての最大の脅威が今年に入り危惧されていたようなインフレ高進ではなく、さえない景気回復へとシフトしている現状を浮き彫りにした。また投資家の多くは、インフレ統計は当面、高水準が続くものの、いずれ自然と落ち着くか、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに乗り出して回復にブレーキがかかるとみている。21日の取引で、指標銘柄の10年債利回りは1.279%と、19日の水準からは上昇しているが、先週末16日の1.3%、3月につけた年初来の高水準である1.749%はなお下回っている。