――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  過去10年にわたって電池の価格が下がり続けたことで電気自動車(EV)の価格競争力は増した。しかし今、EVの需要増でこの流れが途絶えるかもしれない。主要原料の争奪戦はこれまで以上に重要な意味を持つようになるだろう。  EV需要が急増する中、電池材料の価格は今年に入ってから高騰している。調査会社ベンチマーク・ミネラル・インテリジェンスによると、カソード(正極)に使用される炭酸リチウムの価格は年初の2倍となり、エネルギー密度を高め、電池寿命を延ばす水酸化コバルトの価格は40%以上上昇した。