株主優待名人として人気の桐谷広人さん。これまでの経験をたっぷり盛り込んだ株の入門書が、好評発売中です。しかも、日本株版と米国株版の2冊同時発売です。ここまで7回に渡って、桐谷さんの将棋との出会いから、37年間に渡る山あり谷ありの株人生について語ってもらいました。今回8回目は、現在71歳のご自身が実感する株主優待のメリットについて話してくれました。
優待は健康にもいいしボケ防止にもなる
――今はたくさん優待を受け取って活用していますよね。
桐谷さん:今は本当にもう使い切れないんで、本当に苦労しています。逆に優待にこき使われている状態ですね(笑)。でも、それが健康を維持してることになって、良かったかもしれない。
私、71歳になるんですけれど、家でテレビを見ていても楽しいわけなんです。なので、なかなかこう自転車で遠出しようという気にならないんですよ。ところが、優待券があるから、「自転車で遠くまで使いに行かなきゃ」と思います。
また、優待券というのは期限があるのが多いですから、期限を過ぎると紙切れになっちゃうわけですね。紙切れになったらもったいないから、使いに行こうっていうことで外出するわけなんですね。外出して歩いたり自転車に乗ったりすることが、健康にもつながっているんで、よかったと思っています。
あと、それと、歳を取ると、人と会話するのが大事らしいんです。ですからそういう意味で優待券を持っていると、使うためには外出もしなければいけないし、お店の人とも会話をしないといけいない。優待株は利回りもいい株が多いから利殖にもなるし、健康にもいいし、私はいいことづくめかなと思っています。
――今の資産はどれくらいお持ちですか?
桐谷さん:リーマン・ブラザーズが潰れた直後に、また大量に信用買いしたために大損して。2009年の3月10日が日経平均株価の大底なんですけれども、その時はもう資産が5000万円は切っていました。そこからは急激に戻ってきました。まあ、現金と株券にしている分以外のも入れたら、4億円ぐらいかな、と思います。
人生で、資産的には、今がピークだと思います。これも、優待株投資のおかげなんです。ですから、私は講演でも「優待株はいいですよ」って話しているんですが、これはホントに自分で実感として思っているから話しているんです。仕事のために調子のいいことを言っているんじゃないんです。
私自身が大損したことによって、優待株の有り難みがわかって、優待をいただいて、それで人生を楽しむという生き方をしたら人生が楽しくなってきまして。だから、余っているお金が少しある人には、ぜひ優待株投資をオススメしています。優待で人生を充実させて、楽しくしていただきたいなと思うわけですね。
優待株は日本独特のいい制度だと思いますよ。 (完)
>>連載第1回はこちら 株主優待でおなじみ桐谷さんが株で4億円を築くまで(1)将棋との出会いは、なんとクラスメートの骨折だった!?
<桐谷さんの人生逆転エピソードはYouTubeでも公開中>【桐谷さん激白①】昔は極貧だった!?見習い棋士時代の苦労秘話/究極の優待投資家になるまで
1949年10月15日、広島県竹原市生まれ。365日株主優待と配当で生計を立てる投資家。プロ棋士七段。バブル絶頂期の1984年に株を始め、バブル崩壊やITバブル、リーマンショックなど相場の浮き沈みを経験。資産は4億円目前。近著に『一番売れてる月刊マネー誌ザイと作った桐谷さんの株入門』『一番売れてる月刊マネー誌ザイと作った桐谷さんの米国株入門』の2冊が好評発売中。