日本のコロナ対策Photo:PIXTA

東京オリンピック・パラリンピック開催期間中に新型コロナウイルス“第5波”を迎えたともいえる最悪の状況だ。わが国は空前の規模のコロナ対策予算を組んできたが、その割には感染対策がうまくいったとはいえない。各国の予算と感染者数の増減を比較した結論だ。(名古屋商科大学ビジネススクール教授 原田 泰)

“アジアの劣等生”ですらなくなった?

 日本はG7諸国に比べて新型コロナウイルス感染者が圧倒的に少ないが、アジア太平洋の島国の先進国と比べてみるとむしろ劣等生だと以前に指摘した(本欄『コロナ感染「ファクターX」を主張していた人たちが反省すべき現実』2021.5.25)。

 今度は、これらの国々(日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、台湾の11カ国)でコロナ関連予算と感染者数を比較してみたい。韓国は島国ではないが、北朝鮮との国境は閉鎖されているので島国とした。

 結果を先に述べておくと、日本は感染者が少ない割に多額のコロナ関連予算を使い、かつ実質GDPの成長率のマイナスも大きい。なぜそういえるのか、グラフを使って詳しく解説しよう。