渋谷で外出自粛を呼びかけるトラック入国管理は一番効率的な隔離策なのに、マスコミは水際対策の失敗を批判しない Photo:PIXTA

日本の新型コロナウイルスの感染状況は、欧米と比べて良い結果だと言われてきた。だがアジア・オセアニアの先進民主主義国と比べるとむしろ悪く、ワクチン接種も遅れるありさまだ。「ファクターX」の議論もあったが、もっと根本的な対策をおろそかにしてはいないだろうか。(名古屋商科大学ビジネススクール教授 原田 泰)

 新型コロナウイルスの第4波が深刻な状況になって、最近はあまりはやらない言葉となったが、日本での感染者数が欧米に比べ少ない要因について「ファクターX」という説が昨年、よく取り上げられた。

 日本が、大規模なロックダウン(都市封鎖)となどの思い切った対策を取っていないのに感染者や死亡者が少ないのは、何か未知の要因Xがあるのではないかという意味で使われた。