11月6日までに、大手自動車メーカー6社の2013年3月期第2四半期決算が出揃った。トヨタ自動車、富士重工業が通期の利益予想を上方修正した。だが、これらは上半期の“貯金”が支えているにすぎず、「震災からの回復、国内のエコカー補助金による増販効果等により、実力以上の“追い風参考記録”」(小澤哲・トヨタ副社長)と厳しい見方を示した。

 下半期のトレンドを見ると、反日デモが勃発した中国、日本、欧州という主要市場の減速が避けられず、すべてのメーカーが、通期の売上高、販売台数の下方修正を強いられる事態になっている。東日本大震災、タイ洪水の発生後、欧米韓に出遅れた日系メーカーの反転攻勢にブレーキがかかった。

 とりわけ、中国への依存度が高い大手3社の影響は甚大だ。中国不振が、トヨタ、ホンダでは300億円前後の最終減益要因となり、日産自動車は600億円の営業減益要因となる(日産は、現地合弁会社を持ち分法適用会社ではなく、現地独資の連結会社としており営業損益段階での影響度が大きい)。

 11月6日に、ラオスで開催されたアジア欧州会議(ASEM)の場で、日中首脳が激論となったことでも明らかなように、日中関係の早期改善は望めない。そうした情勢下では、「大手3社の経営陣は、世界最大の自動車市場となった中国への投資を緩めることはないと口を揃えながらも、早晩、その投資姿勢にバラツキが出てくるだろう」(ホンダ幹部)と推測する。