新型コロナウイルスが持つ鍵に合う細胞は人間の鼻粘膜や目など体の各部にありますが、口の中の特に舌の表面にも多くあり、ウイルスの侵入経路になっています。新型コロナウイルスの症状の一つに味覚障害がありますが、これは舌の表面から侵入するウイルスの猛威によって味を感じるレセプター(味蕾細胞)が破壊されるために起こるのです。

 こうやって体内に侵入した新型コロナウイルスによって、肺の細胞で大量にコピーウイルスが作られます。呼吸が肺から気道、そして鼻腔・口腔を行き来する中でコピーウイルスが唾液に混ざり、体外に飛び散って他者に感染。肺はコピーウイルスを作る作業で疲弊してしまい、肺機能障害を起こします。

国会でも取り上げられた
口腔ケアによるコロナ対策効果

 このように、新型コロナウイルスは口腔からの感染もあります。その感染の予防となり、また万が一に感染した場合に合併症対策となるのが口腔ケアです。

 下の表をご覧ください。

【歯周病と新型コロナウイルス感染症】

 歯周病がない人はコロナが重症化する割合が2.3%なのに対して、歯周病がある人は12.8%と5.6倍も高い。また、死亡するリスクに至っては8.81倍もの差があります。歯周病がコロナの病状に大きく影響していることは明らかです。