「アクティブファンドは信託報酬の割にリターンが低い、長い目でみればコストが低いインデックスファンドを選んだ方が良いのではないか」
イデコ(個人型確定拠出年金)や、つみたてNISAの普及でインデックスファンドが身近になったこともあり、筆者がこうした質問(批判?)を受ける機会は確実に増えている。
金融庁が今年6月に発表した「資産運用業高度化プログレスレポート2021」でも、アクティブ運用を標榜しながらも、実施的にはインデックス運用と大差ない、いわゆる「クローゼット・トラッカー(=隠れインデックスファンド)」の存在が指摘されている。押入れ(クローゼット)の中で、こっそりと指数に連動(トラック)させるという意味から、この名がついている。
投資信託を選ぶ側からすれば、コストは高いのに効果が乏しいファンドはご免蒙りたい。だからと言って、アクティブファンドというだけで優良なファンドまで選択肢から排除し、コストの安さだけでインデックスファンドを選ぶのが正解とは限らない。本稿では、クローゼット・トラッカーが生まれる背景と、コストをかけてでも選ぶ価値があると思われるアクティブファンドについて考察したい。