インデックス投資とパッシブ運用は同じと考えてはいけない理由Photo:PIXTA

「インデックス投資の対極はアクティブ投資」
という認識は間違いである

「投資の手法としてインデックス投資は有効である」という認識が近年広まりつつある。ここでいうインデックス投資とは、日経平均株価(以下、日経平均)など株式や債券の指数(インデックス)に連動させることで運用成果を目指す投資手法のことだ。筆者もインデックス投資の優位性については同意するのでこれは結構なことだと思うが、いろいろな記事やブログなどを読むとどうもインデックス投資について、微妙な誤解が生じているようにも思える。

 例えば、「インデックス投資の対極にあるのがアクティブ投資だ」といわれているが、これは微妙に異なる。

 むしろ、アクティブな運用の対極と言っていいのはパッシブ運用である。一般的にはアクティブ運用は「積極的」、パッシブ運用は「消極的」と訳されることが多いが、「消極的」という表現はあまり良い印象ではない。もう少し適切な表現としてはアクティブ=能動的、パッシブ=受動的とする方が良いだろう。アクティブ運用はベンチマークとなる指数を上回る運用を目指すことだし、パッシブ運用は市場全体の動きと連動することを目指すやり方なので、能動的、受動的という言い方の方がしっくりくる。

 今回はアクティブ運用とパッシブ運用について、そして似たようなニュアンスではあるが微妙に異なるパッシブとインデックスの違いについて考えてみたいと思う。