連日、日本人選手のメダル獲得が続いている東京オリンピック。世界各国のアスリートがそれぞれの目標のために奮闘しています。スポーツにおいて、「メンタル」はパフォーマンスの質を高めるのに不可欠な要素です。心の整え方を知っていれば、リラックスしながらも最高に集中できる状態で試合などの本番に臨むことができるのです。そこで今回は、メンタルコーチとして、スポーツクライミング日本代表選手など数々のアスリートをサポートしている東篤志さんの著書『いつでも100%の力を発揮できる心の整え方』(青春出版社)から、スポーツクライミング日本代表の楢崎智亜選手の強さの秘密や、スポーツと心の密接な関係について抜粋紹介します。
楢崎智亜選手の強さは「メンタル」にあった
本番で力を発揮するうえで、心がいかに大きな役割を果たしているか、それを知っていただくために、2021年東京オリンピックのスポーツクライミング日本代表選手である楢崎智亜選手(「さき」の漢字は「たつざき」)の事例をご紹介します。
楢崎選手とおこなっているメンタルコーチングのセッションは、1回につき1時間から1時間半ほどです。セッションでは、選手がメンタルコーチである私のサポートのもと、自分が大事にしていること、試合で目指していること、あるいは、人生レベルでこの先、何を実現したいか、などといったことに気づくために、潜在意識まで深く考えを掘り下げ、自分と向き合っていきます。