「予言」的中!攻守逆転した賛成派と反対派
「いやー、やっぱチョロいっスね、日本人は」
「メダルラッシュでガラッとムード変わりましたもんね」
「命を軽視するなとかヒステリックに怒ってたのはなんだったの?」
…なんてナメきった会話が、IOC幹部たちの間で交わされているのではないか。ある「予言」が、見事に的中しているからだ。
というのも、五輪の中止・延期を望む意見が国民の半数以上を占めていた今年4月、IOCのコーツ副会長は「日本の選手が活躍すれば国内の世論は変わる」と自信満々で言ってのけた。まさにその通りになった。
ご存じのように、連日のメダルラッシュで日本中が祝賀ムードに包まれている。もちろん、「俺は五輪など見ていない、まわりもシラけてるぞ!」という方もたくさんいらっしゃるだろうが、少なくとも1、2カ前まであった「アンチ五輪」の勢いは目に見えてトーンダウンしている。
むしろ、「アンチ五輪」を叩くムードが強まっている。五輪反対を掲げた人がメダリストにお祝いを述べると「ここまで反対していたくせに、メダルを喜ぶな!」と袋叩きにあう。開催前までは、「五輪強行派」に対し、「命を軽視しているのか」なんていうバッシングが寄せられていたのに、その構図が「メダルラッシュ」によって完全に「攻守逆転」した形である。
まさしく「コーツの予言」通りに世論がガラリと変わったのだ。
コーツ氏といえば5月に、緊急事態宣言下でも五輪は可能だと発言して「何様だ」「日本人をナメている」と叩かれたが、実は日本人の国民性をよく理解した「慧眼」の持ち主だったというわけである。