サラリーマン資産家が
保険に入らない理由

 筆者は最近、ある事情でこうしたサラリーマン資産家の人たちを何人も取材したが、彼らに共通するのは支出に対する考え方が非常に合理的であるということだ。先日もある人に取材をしたとき、彼は生命保険についてこのように語っていた。

「生命保険でいえば、私の場合はサラリーマンですから厚生年金に入っているので自分がもし亡くなっても、子供が18歳になるまでは年間150万円程度の遺族年金が支給されます。私の妻は今は働いていない専業主婦だけど、もし私が死んだら、恐らく働くことになるでしょうから、その収入に毎月12~3万円が遺族年金として上乗せされるのであれば生活にはそれほど困らないと思います。ただ、すぐに働けるかどうかはわからないので、少なくとも3~4年分ぐらいの生活費が賄えるようにするために遺族年金で足りない分だけ生命保険に入れば良いと考えています。残された妻と2人の子供の生活費を年間400万円(月額33万円)とすると足りない分は250万円なので、その4年分、せいぜい1000万円も入っていれば十分です。それで足りない分は自分が持っている貯蓄や投資を使えば良いと考えています」

 これはきわめて冷静で合理的な判断と言っていいだろう。実際に取材した人は期間を限定して保険料の安いネット生命の保険にしか加入していなかった。