大統領選挙に野党候補として立候補する意向を表明した尹錫悦氏尹錫悦(ユン・ソギョル)前検事総長が7月30日、電撃的に最大野党「国民の力」に入党した。その理由と背景とは Photo:SOPA Images/gettyimages

尹錫悦前検事総長が
「国民の力」に入党した背景

 尹錫悦(ユン・ソギョル)前検事総長が7月30日、電撃的に最大野党「国民の力」に入党した。尹氏は、6月29日に出馬表明をしてから支持率がじり貧であった。それには、尹氏およびその家族を巡るスキャンダルと、政策ビジョンの物足りなさ、政治経験の不足からくる失言などが絡み合っている。

 尹氏は、文在寅大統領と対立することによって国民の同情と期待、そして支持を集めてきた。このため与党「共に民主党」は尹氏を目の敵として攻撃を仕掛けてきている。そして孤立無援の尹氏がこれに耐えうるのか難しい状況となっており、強い政治的後ろ盾が必要な状況になった。

 尹氏が8月を待たずに、7月30日電撃的に国民の力に入党したのにはこのような背景があるのであろう。尹氏は「入党に関して不確実なままにすることは、私が政権交代の政治活動をしていく上で、国民に多くの混乱と累を及ぼすのではないかと考えた」と述べ、7月入党に至る考えを述べた。当初は8月中旬以降に入党することを考えていたという。

「国民の力」は9月15日から大統領選の党公認候補を決める予備選を行い、一般国民を対象に実施した世論調査で候補を8人に絞り込む。