韓国で120万部のミリオンセラーとなった話題書がある。『どうかご自愛ください ~精神科医が教える「自尊感情」回復レッスン』だ。精神科医である著者が「自尊感情(≒自己肯定感)」の回復法を指南した一冊である。「些細な事を気にしすぎる」「パートナーとの喧嘩が絶えない」「すぐに人と比べて落ち込む」「やる気が出ない」「不安やゆううつ感に悩んでいる」「死にたいと考えてしまう」など、多くの悩みは自尊感情の低下が原因だと本書は伝えている。そして、その回復法を教えてくれる。
本書の日本版が、ついに7月14日に刊行となった。日本でも発売即重版となり、さっそく話題を集めている。今回は、本書の刊行を記念して、その一部を特別に紹介する。

精神科医が教える「不安」を取りのぞく技術とは?Photo: Adobe Stock

不安の“正体”を探ろう

 不安の大部分は、今の状況が問題だというよりも、いずれ破局につながるだろうと不安を先取りしていることが問題です。ですから、自分が何を恐れているのか、不安の正体がわかれば、問題は一気に解決します。

 ぼんやりと曖昧だった不安を、具体的で現実的な不安に変換できるからです。解決可能な不安なら解決策を立てればいいし、もし解決不可能な不安だったら、不可能なことを認めていさぎよく諦めてしまえばいいのです。

よくある4つの不安「死、破綻、別れ、魅力喪失」

 クリニックを訪れる患者が恐れていることは、次の4つに分類されます。

 まずは「死」に対する不安です。主にパニック障害や、心気症と診断された人たちは、ある決まった状況下になると動悸が激しくなり、頭の中で破局化反応が起きます。ただ渋滞にはまっているとか、トンネルや山の中にいるだけで、ここで死んでしまうかもしれないという不安に襲われるのです。

 2つ目は「破綻」に対する不安です。会社で上司に指摘されただけで「自分はクビにされるかもしれない」と考えたり、一度試験に落ちただけなのに「永遠に合格しないのでは」と考えたりすることです。「いずれ自分は失業して破産してしまうかも」と想像し、取り越し苦労に苦しんでいるのです。

 3つ目は「別れ(一人ぼっちになること)」に対する不安です。家族や恋人、友人など、大切な人と喧嘩をするたびに、自分の性格を疑います。この程度で言い争っていては、一生一人で過ごすのではないかと心配しすぎてしまいます。

 4つ目は「魅力喪失」に対する不安です。白髪が生えたりシワができたことで大きく落胆します。もうこれ以上若さを享受できない、美しさを失ったという思いから将来に希望をもてなくなるのです。

 もしあなたが今、漠然と不安を感じているなら自問してみましょう。恋人との別れで不安が続いているのなら、その先どうなるのか。加齢によって自信をなくしているのなら、これからどんなことが起きるのか、その次はどうなるのかを自分に聞いてみてください。すると、“自分が本当に恐れていること”が何なのかがわかるはずです。

(本原稿は、ユン・ホンギュン著、岡崎暢子訳『どうかご自愛ください』からの抜粋です)

ユン・ホンギュン
自尊感情専門家、ユン・ホンギュン精神健康医学科医院院長
中央大学校医科大学を卒業し、同大学医科大学院で博士課程を修了。京郷新聞、韓国日報、月刊生老病死などへの寄稿のほか、FMラジオ交通放送「耳で聞く処方箋」などの相談医としても活躍。韓国依存精神医学会、韓国賭博問題管理センター、中央大学ゲーム過没入センター、性依存心理治療協会、校内暴力防止のための100人の精神科医師会などで活動。主に関心を寄せている分野は「自尊感情」と「依存」。初の著書『どうかご自愛ください ~精神科医が教える「自尊感情」回復レッスン』が韓国で120万部のミリオンセラーに。