河村たかし市長の金メダルかじり騒動が、五輪の世論をひとつにまとめた理由Photo:PIXTA

「ごめんなさい。これはさすがに」「俺だったら泣く」。アスリートたちからもこんな声が漏れた名古屋の河村たかし市長のメダルかじり騒動。問題続きだった今回の東京五輪全体からすれば小さな騒動ではあるが、衝撃的なその動画は一瞬でネットを駆け巡った。(フリーライター 鎌田和歌)

板チョコのごとく、メダルかじった市長

 名古屋・河村たかし市長の金メダルかじり事件が大変な炎上となっている。

 河村市長は8月4日、表敬訪問に訪れていた同市出身のソフトボール日本代表・後藤希友(みう)選手を出迎えた。歓談後、金メダルを後藤選手からかけてもらった市長は、カメラマンへのサービスのつもりだったのか、マスクをはずして、勢いよくメダルにかじりついた。

 メダルをかじる仕草は少なくとも20年以上は続いていると言われ、今回の大会でも競泳・大橋悠依選手や柔道・阿部一二三選手らがこのポーズで写真撮影に応じた。

 しかし、当の選手たちでさえ、前歯で端の方をかむ「フリをする」程度である。

 それを何を思ったのか、河村市長はおもむろにマスクを外し、まるで板チョコにかぶりつくかのごとくバクっとかんでいる。よく聞くと歯がメダルに当たる“カチッ”という音が聞こえるほどである。布製のひもの部分も口の中に入っているように見え、さすがに気持ちの良いものではない。

 コロナ禍での「接触」ということもあり、このニュースが報じられるやいなや、ネット上では次々に悲鳴のような批判が噴出した。