本書の要点

(1) 自分自身を解釈する方法の一つとして、自分の「名前」を解釈することが挙げられる。名前の由来や字源、語源を参考にして、自分の名前に自分なりの解釈を追加していく。
(2)「違和感」に名前をつけることを通して、現在を解釈する。違和感を言葉にすれば、他の人と共有したり、改善方法を検討したりすることも可能だ。
(3)「あの感情」に名前をつけて過去を解釈してみると、過去の感情に対する認識を更新できる。
(4)未来を解釈するための試みとして、今後1年をどんな年にしたいかを、漢字一文字で表現してみよう。

要約本文

【必読ポイント!】
◆自分を解釈する
◇自分の名前に自分なりの解釈を追加する

 自分という存在は、自分にとって当たり前のものだ。自分のことでわからないことなどない、と思っている人もいるだろう。しかしそう思ってしまうからこそ、よくよく考えることもなく、「自分はこういうものだ」と決めつけてしまっていないだろうか。自分という存在をあらためて解釈すれば、今まで知らなかった自分と出会えるはずだ。

 ここでは、「自分の名前」を解釈してみよう。「そういうものだから」と受け止めるのではなく、主体的に解釈する。

 解釈の手段としては、由来を確かめる、「字源」と「語源」を調べてみる、などが挙げられる。字源は字の成り立ちをさかのぼるもの、語源はその意味で用いられるようになった経緯をさかのぼるものだ。

 語源をたどると、意外な事実を知れることがある。「大丈夫」という言葉の語源を紹介しよう。中国では成人男子のことを丈夫、特に立派な男性を大丈夫と言った。日本に伝わったときには「立派な男子」という意味だったが、そこから派生して、「しっかりしている」「間違いない」「確かである」などの意味でも使われるようになったのだそうだ。

 字源や語源を知りたいなら、書店や図書館で「字源辞典」「語源辞典」を調べてみればいい。もう少し気軽に調べたいなら、ウェブで検索することも可能だ。