タクシーの運転手さんには、
必ず「名刺」を渡す

 そして、それ以来、僕は、仕事につながる可能性があれば、どんどん見知らぬ人にも声をかけるようになりました。

 例えば、タクシーの運転手さん。タクシーに乗ったときには、必ず、名刺を渡して、僕がTBSを辞めて保険の営業マンになった理由や、「日本一」をめざして頑張っていることなど、少々大げさにしてでもお話しするようにしていたのです。

 なぜなら、僕のあとに富裕層の方がタクシーに乗車して、「相続で困っているけど、実は保険がいいらしいね?」などと雑談をする可能性は0%ではないからです。そのときに運転手さんが、「そういえば、さっき保険の営業マンが名刺を置いていきましたよ。ずいぶん元気な営業マンで、信頼できそうな人でしたよ」なんて言ってもらえたら、そこから仕事につながるかもしれません。

 あるいは、街中で妊婦さんを見かけたら必ずお声がけをしていました。

 赤ちゃんが産まれるということは、生命保険についてご夫婦で考える最高のタイミングです。だから、失礼のないように十分に配慮しながら、お声をかけさせていただいて、「何かございましたら、ご連絡をください」と名刺をお渡しするようにしていたのです。

 飲食店に入る時にも工夫をしました。

 基本的にチェーン店には入らず、店頭にオーナーが立っているお店に何度も通うようにしていたのです。そして、必ずオーナーに話しかけて、名刺を渡します。親しくなることができれば、お店の常連さんなどで「保険に入りたい」という人がいれば、僕のことを思い出して紹介してくれるかもしれないからです。

 これは、オーナーが店頭に立っているお店だからできることです。だから、どうせ同じ時間を使うのならばチェーン店は利用せず、オーナーと直接会えるお店にしていました。このように、日常のあらゆる場面で、「営業につながる可能性」を念頭において行動するように心がけていたのです。