商品企画としてのスマートホームの実験

 スマートホームとは、スマートフォンなどのアプリで家の家電・鍵・照明・カメラ・給湯がリモート操作できる機能を指す。これが導入された賃貸物件はあるものの、物件検索サイトで探すことは今のところできない。黎明期の設備やサービスは一定の周知が行われるまで、集客に困るものだ。そこで、このスマートホームの集客を別のところでやってみた。

 スマートホームの一つの機能であるスマートロック(玄関鍵)が商品として8000個以上売れた場所がある。それはクラウドファンディングだ。クラウドファンディングには「購買型」という通販スタイルでモノやサービスを販売する機能がある。ではそこでスマートホームの空室情報を提供するサービスを有料(1万~2万円)で募集する。空室情報にお金を払う層は入居に対して前向きな人が多いという想定だ。その代わり、仲介手数料(賃料の1カ月分)はなしとした。こうすることで、お得感が出て、スマートホームの供給に対して、スマートホームに住みたい需要を集めることで、ニーズをマッチングすることができる。

 こうしてスマートホームに住みたい人がそれを探せる仕組みができれば、スマートホーム市場は市民権を得ることができる。供給する側も、空室を気にする必要がなくなるし、投資した機器の回収期間が短くなるので、積極的に導入が進む。

 一方、スマートホームに住みたい人はこの空室情報配信に登録すれば必要十分な情報が得られる。この実験は単にスマートホームの未来を決めるだけではない。顧客ニーズを吸い上げる商品企画の細分化に道を開き、これまでの画一的だった商品企画に新たな希望を見いだすことになる。

 例えば、大型車の駐車場が欲しいとか、猫を飼いたいとか、浴室にミストサウナとテレビが欲しいとか、ニーズは多様で強いものもある。実際、コロナ禍で家を探す人は増えた。家が楽しい場所になることは今や切なる願いなのだ。その光明を見いだすには今回のクラウドファンディングのように知恵を絞り続けるしかない。