Webブラウザの同期機能が原因で恥ずかしい事態に……
有名人の場合にはネットニュースにも

 もう一つ、生活を破壊しかねない怖い話を紹介します。これも本当にあった話です。

 最近はWebブラウザの設定も同期するようになっており、便利です。ChromeであればGoogleアカウント、EdgeであればMicrosoftアカウント、SafariであればApple IDでログインすると、どの端末のブラウザでも同じブックマークや履歴、パスワードを利用できます。いつも使っているWebサービスのパスワードを調べて毎回入力し直すのは手間ですから、確かに便利です。しかし、何がどのように同期されるのかは把握しておかなければいけません。

 好みのサイトをブックマークしている人は多いと思います。上記のIDでログインした状態で普通にWebブラウザを利用し、同期すると、すべての端末で同じブックマークが表示されるようになります。自分で設定したつもりがなくても、意識せずに同期されている人も多いはずです。

 自宅のパソコンでアダルトサイトをブックマークしている人が、会社に行って仕事用のPCを立ち上げます。会社ではもちろんアダルトサイトを開いていません。仕事用のPCでWebブラウザを表示してプレゼンを始めたところ、参加者がなぜか妙な反応に……。そう、同期していたことに気付かず、Webブラウザのブックマークバーに、お気に入りのアダルトサイトや、動画の名前が並んで表示されていたのです。そんな場面を想像しただけで肝が冷えることでしょう。

写真:柳谷智宣大真面目な顔で語っていても、ブックマークバーで知られたくないことが開けっぴろげになっていては、格好が付きません  写真:柳谷智宣

「マヌケな人もいるものだ」と思いましたか? 実はこういうケースは、よくあることなのです。テレビで何かしらの紹介をするために、PC画面を映すことがあります。その際、ブックマークバーに登録されたアダルトサイト名が映り込んだという事例は珍しくありません。アスリートや学生、そして政治家などいくつもあります。有名人の場合、その後追加でニュースになったこともあります。

 単にアダルトサイトを登録しているだけならダメージは小さいのですが、個別の動画タイトルが読めると、Twitterや匿名掲示板で“特定班”が動き出します。特殊な性的嗜好の場合は大盛り上がりです。テレビなので、その人は匿名どころか顔を出して話しているため、取り返しが付きません。恐ろしい話です。