また、コロナ禍ではもともと高級飲食店向けに水産物を卸していた水産事業者などとも交渉をしやすい環境になり、提携が進みました。例えば、かっぱ寿司は全国の生産者とタッグを組み、コロナ禍で出荷が停滞している国産魚を使った商品を販売する「国産魚のリレー販売プロジェクト」を昨年から展開しています。

 生産者以外でも、他事業者とのコラボは、この1年間盛んに行われています。代表的なのは、くら寿司で業績向上の要因ともなった「鬼滅の刃」とのコラボでしょう。このほかにも、スシローの「匠の一皿」など各地域で評価の高い人気店とタッグを組んだメニューなども見受けられました。

 こうした状況で迎えた今年のお盆。書き入れ時のこの時期に、回転ずし各社がこぞって推している寿司ネタが「マグロ」です。

「人気ネタだから」だけではない
お盆に各社がマグロを推す三つの理由

スシロースシローの天然インド鮪中トロ 1貫100円(税抜) 筆者撮影

 お盆前の回転ずし各社のフェア商品にはマグロ関連のものが多くありました。このように各社書き入れ時にマグロを推す理由には、次のようなものが考えられます。

 1点目は、人気のネタで来店を誘引できるという点です。大手食品会社のマルハニチロが行った「回転寿司に関する消費者実態調査2021」によると、回転ずし店に行った際によく食べているネタの2位が「マグロ(赤身)」(34.6%)で、4位が「マグロ(中トロ)」(28.4%)です。1位は「サーモン」(45.4%)なのですが、マグロは赤身と中トロを合わせるとこれを上回る人気ぶりとなっています。

 回転ずしには、当然ながらさまざまなネタがあり、マグロだけを食べる人はまれです。さまざまなネタを食べてもらうことで利益を確保できるため、多少無理をしても来店を促せる人気ネタに力を入れるのです。

 マグロを推す理由、2点目は保管がしやすいという点です。マグロは、冷凍での流通環境がかなり整っているすしネタです。そのため、安い時期に大量に仕入れて、ここぞというときに放出するという使い方ができます。コロナ禍では、冷凍の本マグロなど、本来高級なマグロの卸値が下がっていました。それを放出する良きタイミングが書き入れ時のお盆なのです。

 3点目は、テークアウトでも品質を保ちやすいネタだという点です。テークアウトは作ってから食べるまでのタイムラグがあるため、特に鮮度に気を遣うすしネタは、コロナ禍では満足度低下の要因ともなり得ます。その点、マグロはもともとの体温が高いこともあり、鮮度が低下しにくい肉質をしています。この点が、テークアウト需要が増している際にも適しているのです。

 以上のように、今年のお盆に回転ずしでは、ぜひとも「マグロ」を食べるとよいと思います。ただ、お得においしいマグロを食べたい人こそ、気を付けておきたいポイントがあります。ここからは、今年のお盆の回転ずしでマグロを食べる際に「やってはいけない三つのこと」についてお伝えします。