「株式投資に興味があるけど、何から始めればいいの?」ーー。そんな株式投資ビギナーにおすすめしたいのが『5万円からでも始められる! 黒字転換2倍株で勝つ投資術』(馬渕磨理子著、ダイヤモンド社、6月16日発売)です。全国各地のセミナーで5年間にわたって個人投資家の方々にお伝えしてきた、的中率70%超の堅実な投資法を紹介。「黒字転換2倍株投資術」とは、四半期決算データで営業利益・経常利益が「赤字」から「黒字」に転換するタイミングの銘柄をいち早く見つけて買い、2倍になったら売るというシンプルな方法。「リスクを取りたくない、損切りの回数を減らしたい、でも利益は欲しい!」という堅実派の人にも始めやすい、マイルドな投資法です。本連載は、同書の中からエッセンスを抜き出してお届けします。これから株式投資を始めたい人、もっと勝率を高める方法を探している人、必読です。好評のバックナンバーはこちらからどうぞ。

通期業績の予想、営業利益と経常利益の進捗率、<br />具体的な事業内容を確認しながら、<br />黒字転換銘柄をスクリーニングするPhoto: Adobe Stock

「バイオ(創薬)」と「ゲーム」企業は、不確定要素が大きい

 スクリーニング作業の3つ目が、「3.具体的な事業内容」を具体的に見ていくことです。事例を挙げて説明します。

 ガーラは、日本・韓国を拠点にスマートフォン・タブレットPC向けゲーム、オンラインゲームの開発と販売をしている企業です。

 同社は、四半期業績で赤字から黒字転換していることがわかります(下図)。

 ただ通期業績では来期の予想はまだ出ていません。決算短信では、連結業績予想については、合理的な業績予想の算定が困難であるため記載してありません、と報告しています。

 私自身は、「バイオ(創薬)」と「ゲーム」関連の企業は、触らないことにしています。不確定要素が多いからです。

 ゲーム業界は、ヒットコンテンツを生み出し続けられるかどうかで業績が大きくブレる業界です。ゲーム業界はコロナ禍で「巣ごもり」需要として大きく拡大した業界にもかかわらず、四半期業績、通期業績の推移を見てもガーラは伸び悩んでいる印象を受けます。こういった銘柄は省きます。

 このように、1.通期業績の予想、2.営業利益と経常利益の進捗率、3.具体的な事業内容を確認しながら、1つ1つ根気よく省いていきます。

 3つ目の事業内容は、「どんな事業を手掛けているのか」「業種は何か」「事業内容に安定性や将来性があるか」という点を確認します。

 たとえば、コロナワクチン接種が進んだ世の中では、どのような事業や業種が伸びそうでしょうか? イメージしてみてください。

 コロナでダメージを受けていた外食や旅行や買い物需要が爆発する可能性が高いです。いわゆるリベンジ消費です。このように、少し先の未来のシナリオをイメージするクセをつけましょう。

通期業績の予想、営業利益と経常利益の進捗率、<br />具体的な事業内容を確認しながら、<br />黒字転換銘柄をスクリーニングする馬渕磨理子(Mabuchi Mariko)
経済アナリスト、認定テクニカルアナリスト
フィスコ金融・経済シナリオ分析会議 研究員
日本クラウドキャピタル マーケティング・未上場マーケットアナリスト
フジテレビ系列LiveNews αレギュラーコメンテーター
滋賀県出身。同志社大学法学部卒業、京都大学大学院公共政策大学院卒業、公共政策修士。2013年関西の某医療法人に入社後、資産運用トレーダー業務を始める。独力で財務・経営分析力を磨いた結果、資産を3倍にする。2015年独立系金融情報配信会社FISCOのアナリスに転身。上場企業の経営者を中心にインタビューし、個別銘柄分析や日本・韓国・米国経済等の市況分析に従事。入社当時、アナリストだった上司より「堅実な銘柄選定法」として「黒字転換2倍株」のノウハウを受け継ぐ。2017年からは日本クラウドキャピタルにも籍を置き、日本初の未上場マーケットアナリスト兼マーケティング担当として活動。雑誌・Webなど連載多数。「PRESIDENT」本誌にも多数記事を掲載。「プレジデントオンライン」の執筆記事は、2020年の半年間で累計6000万PVを超え、「日本一バズるアナリスト」ともいわれる。2020年11月ラジオ日経にて「馬渕磨理子の5分で教えて!ベンチャー社長」がスタート。初の著書『5万円からでも始められる! 黒字転換2倍株で勝つ投資術』をダイヤモンド社から2021年6月16日に上梓。