テスラの高度運転支援システム「オートパイロット」が米交通安全当局の調査対象になっていることが16日明らかになったが、テスラの株主に大きな動揺は広がらなかった。テスラ車は緊急車両を巻き込むケースなど一連の事故を起こしていた。テスラ株は16日の取引で4%超下落したとはいえ、過去1年では2倍近く値上がりしている。だがテスラの株価には、一段と大きくかつ普遍的なリスクが潜む。ある意味では、投資家の無頓着な姿勢は同社の過去を踏まえれば納得がいく。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はここ数年、さまざまな規制当局と衝突してきた。2018年に米証券取引委員会(SEC)と証券詐欺容疑を巡って和解したような深刻な出来事さえ、市場ではテスラの運勢に一時的な影響しか及ぼさなかった。オートパイロットを巡っては2016年以降、規制当局が複数の事故について調査しているが、テスラに対し投資家が損を被るような措置は講じられていない。