佐川Photo:123RF

コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、4~6月度の陸運・物流編だ。

ヤマト運輸が配達12.6%増、佐川は0.4%減!
コロナ前比較でわかる「物流格差」の正体

 陸運・物流の主要4社が発表した4~6月度の月次業績データは、以下の結果となった。(業績の数字は各月の速報値を使用。)

◯ヤマト運輸(ヤマトホールディングス〈HD〉)の宅急便取り扱い実績
 4月度:前年同月比110.4%(10.4%増)
 5月度:同106.5%(6.5%増)
 6月度:同112.6%(12.6%増)

◯日本通運の国内売上高
 4月度:前年同月比121.7%(21.7%増)
 5月度:同117.7%(17.7%増)
 6月度:同119.2%(19.2%増)

◯佐川急便(SGホールディングス〈HD〉)のデリバリー事業取扱個数
 4月度:前年同月比105.4%(5.4%増)
 5月度:同99.6%(0.4%減)
 6月度:同99.6%(0.4%減)

◯サカイ引越センターの売上高
 4月度:前年同月比105.4%(5.4%増)
 5月度:同115.5%(15.5%増)
 6月度:同104.7%(4.7%増)

 今回取り上げている4社のうち、ヤマト運輸、日本通運、サカイ引越センターの業績は21年4〜6月の全てで前年実績を上回り、コロナ禍を追い風にしているように見える。中でも、日本通運の実績は群を抜いている。

 一方で、佐川急便は4社の中で唯一、前年実績を割った。しかし、これだけを見て「佐川急便が不調だ」と捉えるのは早計だ。実は、4社の6月度の業績において、佐川急便以上に不調といえる企業がある。

 今回はその企業がどこなのかと、4社の間にある「格差」の実態をご紹介しよう。