ジョー・バイデン米大統領が過去10日間、タリバンを批判する発言を避けていることは、現在のアフガニスタン情勢の中の不可思議な点の1つだ。バイデン氏は、アフガンの権力を奪取し米国に恥をかかせたジハーディスト(聖戦主義者)らに対するよりも厳しい言葉で、アフガン内の米国支持勢力を批判してきた。米国人を安全にカブールから脱出させるためにバイデン氏がタリバンの協力を必要と感じていることが、その理由であるのはほぼ間違いない。それがはっきり分からなかった人も、タリバン報道官の23日の発言で、間違いなく分かったことだろう。報道官は、8月31日に定められたアフガンからの米軍全面撤退の期限を米大統領は延期すべきではないと述べた。