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徳川家康や武田信玄が力を借りた「軍神」とは?Photo: Adobe Stock

負け戦で活路をひらき、粘り強くやり遂げる

徳川家康や武田信玄が力を借りた「軍神」とは?タケミナカタ
イラスト/朝倉千夏

 江戸幕府を開いた徳川家康や、最強の武将のひとり武田信玄が力を借りた軍神で、古事記などでは「建御名方」と表します。軍神なので戦いの神、勝利に導く神ですが、なぜかタケミナカタは神話にて惨敗します。

 タケミカヅチが「国を譲れ」とオオクニヌシに迫ったとき、コトシロヌシが同意したものの、不服に思ったタケミナカタは、タケミカヅチと力比べをしました。結果、タケミナカタは両腕を引きちぎられ投げ飛ばされます。

 タケミナカタは逃走し、諏訪湖に追い詰められ殺されかけたところで、「この地から出ない」「国はアマテラスの子に献上する」と約束しました。ぼろ負けです。だからこそ転じて、勝利の神になります。「負けの災いは先に私が引き受けた!」ってことですね。

 タケミナカタは諏訪湖のそばで諏訪大社の神になります。全国の諏訪神社の総本社で、長野県諏訪市の上社本宮、茅野市の上社前宮、下諏訪町の下社春宮、下社秋宮の四社です。

 タケミナカタが軍神として、大きく名を上げたのは日本最大のピンチ「元寇」でした。元と高麗の連合軍による日本侵攻を撃退した「功績第一の風の神」として、シナツヒコと共に朝廷より称えられます。巨大な敵との戦いで、タケミナカタのご利益により、皆が不屈の精神を発揮し、活路をひらいたのです。

 怒らせたら怖い神様です。諏訪大社の上社本宮は、織田信長の長男・信忠の軍に焼かれ、灰になりました。焼き討ちから8日後、武田家滅亡祝いの席で、明智光秀の発言に激怒した信長は、光秀を皆の前で殴る蹴るなどします。それから約2ヵ月半後、このことを恨んだのか明智光秀は謀反「本能寺の変」を起こし、信長・信忠は死亡。勝った光秀も2週間と経たないうちに敗れます。諏訪大社を焼いた主だった3者は、皆死にました。

 一方、タケミナカタと関係深い武田家の遺臣を多く召し抱え、諏訪大社を再建した69徳川家康は、秀吉亡き後の天下を支配。明治まで260年以上続く徳川の時代を築きました。

【主なご利益】必勝祈願、心身健全、技芸上達

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大逆転を狙いたい人

*本原稿は、八木龍平著『最強の神様100』からの抜粋です。