余分な支出を続けている人は、常にお金を稼がなければならないプレッシャーにさらされることになります。一方、無理なく節約を続けられる人は、結果的にお金がたまり、仕事の時間に縛られない豊かな生活を送れるでしょう。今回は、節約を習慣化する上で役立つ、金銭感覚の磨き方についてお伝えします。(明治大学サービス創新研究所研究員 生方 正)
余分な支出をすることは
大切な時間を失うこと
生活費を下げることは、今月の支出だけでなく、来月の支出、老後に必要な資金さえも減額させる効果があります。
限られた予算でやり繰りする習慣が身に付くと、「価格に見合うモノを厳選する目」と「購入したモノを長持ちさせる力」がつきます。つまり、生活がシンプルになり、毎月の貯蓄額が増えることになるのです。
生活費が下がり、貯蓄が増えると、安定した気持ちで生活することができます。
万が一、収入が減っても、少ない生活費でやり繰りできる上に積み上げた貯蓄が当面の生活の支えとなるからです。
例えば月収100万円を稼いでいる高給取りの人でも、月100万円を支出していたら心の安定は得られません。なぜなら、来月支出する100万円を確保するために働くというプレッシャーから、いつまでも解放されることはないからです。
つまり、見えやプライドのために余分な支出をすることは、自分の大切な時間を、収入を得るために使うことになるのです。
仕事が楽しくて仕方がない、自ら望んで働いている人以外は、積極的に生活費を削減し、収入を得るために使う時間を減らす。もしくは、定年まで一生懸命働き、退職後は給料に頼らないスローライフに切り替える準備をしておくことが大切なのです。