慰安婦被害者法改正案に対し
韓国女性団体などが相次ぐ批判

 この法案の発議に関し、元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)氏は、「被害者を保護するといいながら、なぜ団体が法案に入っているのか、被害者当事者には聞こうともせず、おばあさんをまたないがしろにした」「私が挺対協(正義連の前身)について真実を話したことも法を犯したことになるのか」と疑念を呈した。また、尹議員が発議者に加わっていることに「反省がない」として強い怒りを隠さなかった。

 李氏は昨年5月、「挺対協が募金で集めたお金をおばあさんのために使わなかった」という趣旨で問題提起をし、その後不正会計や不正流用の疑惑などが浮上した。また、尹議員の娘が米国の音楽大学に留学した費用の出所についても疑問が提起されている。

 韓国女性団体協議会に所属する60の女性団体は24日に共同声明を出し、「この法案はわずか10日前に文在寅大統領が『被害者中心の問題解決』を約束したメッセージに正面から背く行動」とし「尹議員と一部与党議員は本当に図々しく、嘆かわしいばかり」と批判した。さらに「日帝の暴圧的人権蹂躙(じゅうりん)事件である慰安婦制度によって多くの女性たちが苦痛を味わってきたのに、これを利用して富を蓄積し、法を犯す行為に及んだ団体の代表者らをどうして保護しようとするのか」と主張した。

 尹議員は正義連理事長だった当時、元慰安婦の吉元玉(キル・ウォノク)さんの心身障害を利用して寄付させた容疑などで裁判を受けている被告人であり、その人が発議者に加わったことは、元慰安婦の真実を歪曲(わいきょく)する行為を防ごうとする法案の趣旨にも反するとの見方がある。

野党からは痛烈な批判
与党内で冷ややかな反応も

 元喜龍(ウォン・ヒリョン)前済州道知事は「『立法暴走』で民主党は自らに『免罪符』を与えている」「被害者のための立法であるふりをしながら、結局自身らを保護するための立法だけに取り組んでいる」と批判した。

 劉承ミン(ユ・スンミン)前議員の報道官は、「いっそ『犯罪者保護法』『恐喝犯優待法』を作った方が底意に合致する」「被害者、遺族、または日本軍慰安婦関連団体の名誉を最も傷つけたものは尹議員」「尹議員は議員職を辞任せよ」と怒りをあらわにした。