「幽霊病床」問題で露呈した、日本の病院に根付く深刻な不正受給体質写真はイメージです Photo:PIXTA

「幽霊病床」に感じる
病院の不正の匂い

「新型コロナ患者をすぐに受け入れできます!」と自己申告しておきながら、実は「病床使用率0%」。そんな「幽霊病床」の実態が明らかになった。

 日本テレビが入手した、コロナ患者をすぐに受け入れ可能な「即応病床」と申告している東京都内172の病院の病床使用率をまとめたリストによれば、病床使用率が100%を超えている医療機関は50施設、40%未満が27施設。0%が7施設あったという。

 ご存じのように、「即応病床」には国から補助金が支払われている。コロナ患者の治療には、医療従事者の確保などで病院経営的に負担が重い。そこで、重症用ベッド1床につき最大1950万円、重症以外でも最大900万円、さらに緊急時に備えてベッドを空けておく「空床確保料」まで支払われる。

 つまり、この補助金を申請した病院というのは、「人手不足だ」とか「施設が古い」などの言い訳をせず積極的にコロナ患者を受け入れなくてはいけないのだ。が、現実は使用率40%にも満たない病院がゴロゴロある。もちろん、たまたま同じタイミングで回復して一斉に退院したということもあるかもしれないが、あの四文字が頭に浮かぶ方も多いのではないか。

 そう、「不正受給」である。