専門店〈アパレル/家具〉Photo:123RF

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はファーストリテイリング、ニトリホールディングス、しまむらの「専門店(アパレル/家具)」業界の3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

各社2~4割超の増収も
その数字の「意味」には違いも

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の専門店(アパレル/家具)業界3社。対象期間は21年3~5月期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・ファーストリテイリング
 増収率:47.2%(四半期の売上収益4952億円)
・しまむら
 増収率:33.2%(四半期の売上高1425億円)
・ニトリホールディングス
 増収率:24.0%(四半期の売上高2155億円)

 専門店(アパレル/家具)業界3社の四半期増収率(前年同期比)は、3社ともプラスとなった。

 しかし実は、47.2%もの増収率をたたき出しているユニクロの運営会社、ファーストリテイリングは、前述の「K字型」経済において「負け組」といえる状況に置かれている。一方、大幅な増収ではあるものの、3社の中では24.0%と増収率が最も低いニトリホールディングスだが、その数字が持つ「意味」は他の2社とは異なるといえる。なぜか。

 次ページでそれぞれ詳しく解説する。