コロナ禍に伴う緊急事態宣言を契機に、休業や外出自粛による消費減が直撃し、債務超過に陥る企業も出始めたアパレル業界。倒産危険度ランキングでは30社が“危険水域”と判定された。特集『廃業急増!倒産危険度ランキング2021』(全23回)の#6では、ランク入りしたアパレル企業の二大パターンを検証した。(ダイヤモンド編集部 相馬留美)
老舗も次々と異業種の軍門に下る
西松屋が24位パレモの大株主に
安さを売りにしたメーカーが、さらなる安売りの強者にのまれていった――。
子ども服チェーンの西松屋チェーンは7月30日、中部地方を中心に「ギャルフィット」などの低価格衣料品を展開するパレモ・ホールディングス(HD)の筆頭株主になると発表した。投資ファンドのエンデバー・ユナイテッド・パートナーズ・スリー投資事業組合から株式を取得する。
パレモ・HDは総合スーパー大手、ユニーのヤングレディース衣料部門を出自とし、2012年にはかつて栄華を誇った鈴丹をも吸収して事業を拡大していった。16年にユニーグループ・ホールディングス(GHD)がファミリーマートと経営統合するタイミングで、ユニーGHDはパレモをエンデバー・ユナイテッド・パートナーズ・ツーに売却。04年前後には3000円近かった株価は、最近では200円を割るほどに低迷していた。
新型コロナウイルスの感染拡大で大打撃を受けているアパレル業界。20年5月にレナウンが破綻して以降は、目立った倒産は起きていないものの、パレモ・HDのような再編・淘汰の予兆があちこちに見え始めている。
ダイヤモンド編集部がアパレル業界の倒産危険度を検証したところ、30社が“危険水域”と判定された。西松屋に買われたパレモ・HDはアパレル業界で24位。上には上があるということだ。
倒産危険度ランキング入りした企業の顔触れを見ていくと、アパレル業界の典型的な危機の二大パターンが浮き彫りになる。