最近のインフレの高進は一時的現象にとどまらないかもしれない。加えて経済が低成長期に入る可能性もある。それは50年前の「スタグフレーション」の不快な記憶を呼び覚ます。しかし、成長の停滞と高いインフレ率に特徴付けられたその当時の出来事に基づいて投資判断を下すことには、慎重になる必要がある。スタグフレーション期の一般的概要は広く知られているが、個々のアセットクラス(金融資産分野)の動きについては多くの誤認がある。多くの投資家は、1970年代の10年間をスタグフレーション期と考えているが、サンタクララ大学リービー・ビジネススクールのエドワード・マッコーリー教授によれば、このスタグフレーション期は1966年に始まり1982年まで続いていた。米国株式市場の歴史を1793年までさかのぼって再構築した同教授は「われわれが1970年代と結び付けて考えるインフレが実際に始まったのは1960年代半ばであり、1970年代と結び付けていた病状は1982年まで継続した」と述べている。
スタグフレーション、投資家が今知るべき事柄
誤りが多い一般認識 不況下で高インフレ時の投資を1970年代から学ぶ
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