コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はキリンホールディングス、アサヒグループホールディングス、サッポロホールディングスの「ビール」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
アサヒは2割超
ビール3社とも四半期増収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のビール業界3社。対象期間は21年4~6月の直近四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・キリンホールディングス
増収率:1.5%(四半期の売上収益4547億円)
・アサヒグループホールディングス
増収率:24.0%(四半期の売上収益5769億円)
・サッポロホールディングス
増収率:9.6%(四半期の売上収益1098億円)
ビール業界3社の四半期増収率(前年同期比)は、3社ともプラスだった。特にアサヒグループホールディングスは24.0%と高い増収率を記録している。その他2社と大きく差が付いた要因とは何だったのか。背景には「二つの事情」があった。次ページ以降で詳しく解説する。