DX業界の勝ち組は
「①システム構築・システムインテグレータ」

 さらに、企業にDXとして導入してもらう汎用性のあるツールを開発している企業というポジションもあります。DX関連銘柄を分析する際に、その企業のDX業界の中での立ち位置も考えてみてください。

 下図は、私自身が日本のDXを理解する上で図解したものです。DX業界は行政のDXと民間のDXの大きく2つに分けられます。ここでは民間のDXについて具体的に説明します。

 図の右側の「民間のDX」では、DXを考えている企業に「①システム構築・システムインテグレータ」としてシステム自体を構築して提供する企業や「②人材派遣」する企業には、大きな売上の伸びが予想できます。

 特に、DX業界では「①システム構築・システムインテグレータ」がある意味、勝ち組です。次に、世の中にある様々なDXの中でどれを利用したらよいかなどの「③コンサルティング」を行う企業もマネタイズできる企業になります。

 企業に導入してもらうDXのツールを販売している「④既存のシステム」を作っている企業は当然、システムインテグレータほどの売上を計上することは難しいでしょう。他のDXツールに導入企業が乗り換えてしまうことも考えられます。

 これから参入を考えている「⑤新しいシステム」を作っていく企業は、どうやって営業・販売網を獲得していくかの計画がなければ、参入してもパイを取ることは難しいでしょう。

 このようにDX1つ取ってみても、業界でどのポジションを取っている企業なのかを確認することで、その企業の業績の伸びや成長性を判断することができます。

日本を変える一大テーマ<br />DX(デジタルトランスフォーメーション)の<br />どこに注目すればいいか?馬渕磨理子(Mabuchi Mariko)
経済アナリスト、認定テクニカルアナリスト
フィスコ金融・経済シナリオ分析会議 研究員
日本クラウドキャピタル マーケティング・未上場マーケットアナリスト
フジテレビ系列LiveNews αレギュラーコメンテーター
滋賀県出身。同志社大学法学部卒業、京都大学大学院公共政策大学院卒業、公共政策修士。2013年関西の某医療法人に入社後、資産運用トレーダー業務を始める。独力で財務・経営分析力を磨いた結果、資産を3倍にする。2015年独立系金融情報配信会社FISCOのアナリスに転身。上場企業の経営者を中心にインタビューし、個別銘柄分析や日本・韓国・米国経済等の市況分析に従事。入社当時、アナリストだった上司より「堅実な銘柄選定法」として「黒字転換2倍株」のノウハウを受け継ぐ。2017年からは日本クラウドキャピタルにも籍を置き、日本初の未上場マーケットアナリスト兼マーケティング担当として活動。雑誌・Webなど連載多数。「PRESIDENT」本誌にも多数記事を掲載。「プレジデントオンライン」の執筆記事は、2020年の半年間で累計6000万PVを超え、「日本一バズるアナリスト」ともいわれる。2020年11月ラジオ日経にて「馬渕磨理子の5分で教えて!ベンチャー社長」がスタート。初の著書『5万円からでも始められる! 黒字転換2倍株で勝つ投資術』をダイヤモンド社から2021年6月16日に上梓。