3度現れた「逃げたい」メッセージ
私の家は山の上にあり、スーパーや病院は山のふもとに集合している。
救急病院の前を車で通過すると、入院着を着たお兄さんが猛ダッシュで病院から脱走しているところだった。薄手の入院着はうしろをひもで結ぶタイプで、お尻が丸出しだ。そのうしろを白衣の先生2人が追いかけている。
両腕を振って逃げる入院着のお兄さんはどう見ても健康そうだ。
このときはまだ、この出来事が自分の思いとリンクしているとは気がついていなかった。「お医者さんも大変だな」と思っただけだった。
となり町にやってきて、市役所前を通りすぎたあたりで、今度は入院着を着たお姉さんが猛ダッシュしているところに出くわした。
下にちゃんとパンツをはいていて、両腕を大きく振って走っている。
このときに、「おや? なぜ2度も病院から脱走する人を見るんだ?」とちょっと気になり始めた。お姉さんのうしろには誰も追いかける者は見当たらなかった。
極めつきは田舎道を通ったときだ。昨晩の嵐でフェンスが壊れてしまった農家から、馬が6頭脱走しているではないか!
馬が逃げたら、農家の人が大変だろうと思い、車でゆっくり馬に近づいてフェンスの中へ誘導しようとした。
でも、結果的に馬を追いやる形になってしまい、まんまと森の奥深くに逃げていってしまった。
「うわわ、よけいなことをしてしまった。農家さん、ごめんよ」
このときに自分の思いが物質界に投影されていることを悟った。
その日の夜のこと。
夢に出てきた宇宙人のバシャールから、「あなたの親友は、病状が悪化して、『本来の自由な自分』に戻るため、物質界(この世)を出て非物質界(あの世)に戻る決心をしたんだ。そして、そのことにあなた自身はちゃんと気がついていた」と知らされた。
その夢では、バシャールが寝室のベッドの横に立って、今日の出来事をくわしく解説してくれたのだ。
バシャールは、私が親友の決心を受けとめるのが怖くて、「逃げ出したい」と強く願ったんだと教えてくれた。
病院から脱走する2人も森へ逃げて行く6頭の馬も、みんな自由に向かって走っていたことをバシャールから教えてもらった。
私はバシャールからその話を聞いて、「逃げ出したい」と思う現実を受けとめよう、そう思うようになった。
親友が選ぶ道を心からリスペクトしたい、そう思ったからだ。
バシャールが私の心の変化に微笑んでいるように見えた。