【知らないと危険】故人の電子マネーは放置厳禁! その理由とは?
大切な人を亡くした後、残された家族には、膨大な量の手続が待っています。しかも「いつかやろう」と放置すると、過料(行政罰)が生じるケースもあり、要注意です。本連載の著者は、相続専門税理士の橘慶太氏。相続の相談実績は5000人を超え、現場を知り尽くしたプロフェッショナルです。このたび、最新の法改正に合わせた『ぶっちゃけ相続「手続大全」【増補改訂版】』が刊行されます。本書から一部を抜粋し、ご紹介します。
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故人の電子マネーは放置厳禁! その理由とは?
本日は「相続と電子マネー」についてお話しします。年末年始、相続について家族で話し合った方も多いかと思います。ぜひ参考にしてください。
近年、スマートフォン一つで買い物ができる「電子マネー」が普及し、多くの方が日常的に利用しています。特にPayPayのような“チャージ型”の電子マネーでは、数千円~数万円の残高が入ったまま亡くなるケースも珍しくありません。
遺族としては、「このお金、手続しないと消えてしまうのでは?」「どうやって手続するの?」と不安になるものです。実際、電子マネーは故人の財産に該当するため、原則として相続の対象になります。
ここでは、電子マネーの相続手続に関する基本的な考え方や対応方法を解説していきます
たとえ1000円でも相続の対象になる
まず前提として、チャージ式の電子マネー(PayPay、楽天キャッシュなど)の残高は「金銭債権」として相続の対象になります。したがって、たとえ1000円であっても、法的には引き継ぐことが可能です。
逆に、手続をしなければ、サービス側の利用規約に基づいて失効してしまうことがあります。
どこに連絡すればいいの?
具体的な手続は電子マネーの運営会社によって異なりますが、例えばPayPayでは、専用の問い合わせフォームから申請を行うことで、相続に関する案内を受け取ることができます。申請には、相続人であることを証明する戸籍謄本や、故人の死亡を証明する書類(死亡診断書や除籍謄本など)が必要です。郵送での手続になる場合が多く、オンラインだけでは完結しないケースもあります。
「どこに、いくら入っていたか」をどうやって調べる?
最も難しいのは、「そもそも故人がどの電子マネーを使っていたのかわからない」ケースです。スマホにロックがかかっていてアプリが確認できない場合、本人の銀行口座の入出金履歴から電子マネーへのチャージ履歴を追いかけるという方法があります。
また、故人のメールボックスや郵便物に「チャージ完了通知」や「取引明細メール」が残っていないかを確認するのも一つの手段です。どうしてもわからない場合は、主要な電子マネー事業者(PayPay、楽天ペイ、メルペイなど)に個別に照会をかけるという対応をするご遺族もいますが、基本的には利用履歴が確認できないと対応は難しいのが実情です。
相続税の対象になるの?
電子マネー残高も、他の預貯金や有価証券と同じように、相続財産として相続税の計算に含める必要があります。相続税申告が必要な方は、電子マネーの残高も「その他の財産」として明細に記載しましょう。残高が数千円程度の場合は申告の実務上問題にならないこともありますが、数万円以上ある場合は正確に把握することをオススメします。
手続に期限はあるの?
電子マネーには、利用規約において「一定期間ログインがないと残高が失効する」と定められているものもあります。相続の手続とは別に、サービス側の失効ルールが適用されてしまうことがあるため、なるべく早めに対応しましょう。
(本原稿は『ぶっちゃけ相続「手続大全」【増補改訂版】』の一部抜粋・加筆を行ったものです)








