男子の難関校受験生が2月2日に殺到する本郷中学校(東京・豊島区)

共学校は人気上昇、男子校は減少傾向に

 前回の連載で触れたように、大幅に増加が予想される2022年入試の受験生は偏差値50未満の共学校に集中する傾向がうかがえた。今回は男子受験生の動向を見ていきたい。偏差値については、四谷大塚の合不合結果80偏差値を基準に、偏差値65以上をAランク、以下5刻みでB~Fランク、30台をGランクとし、偏差値表記のない入試(学校)をHランクとする。

 なお、これも前回触れた点ではあるが、7月模試時点ではまだシビアな絞り込みは行われておらず、希望的な観測も込みで志望校を複数記入している。したがって、以下で見るような志望者数の増減や予想倍率がそのまま現実になるかは定かではない。現段階では、どのような学校(入試)に注目が集まっているのか、その勢いを感じ取っていただければと思う。

 男子校はボリュームゾーンであるEFランク(偏差値40台)の学校よりDランク以上の中堅校以上が多いこともあり、22年入試の志望者増の恩恵を受けにくい。むしろ全体的に見ると減少傾向にあるようだ。

 とはいえ、21年入試の人気校(入試)が7月模試でもさらに志望者数を増やしている例も見られる。学校と入試ごとにその状況を見ていこう。
 
 まずは四模試の総志望者数で、各入試の前年比での増減を見ていく。志望者数が少ないと振れ幅も大きくなるため、合計人数が50人未満、50~99人、100~299人、300人以上という四つに主に分けて解説していきたい。

 入試によっては、500~600人、中には1000人を超える志望者が集まっている。募集定員が変わらなければ、当然、前年に比べて実倍率は上昇する傾向にある。志望者増により、22年の予想倍率が10倍を超えるような入試も目に付く。

 7月模試で最多の志望者を集めたのは2月2日の本郷(2回)で、130人ほど上積みし、実に1400人近い。1日難関男子校の定番の併願先として、さらに人気を高めそうな勢いである。大学付属校では、3日の慶應義塾中等部が前年比1割増で1100人を大きく超え、予想倍率も6倍超と、大変厳しい入試になりそうだ。

 一方で、前年より1~2割志望者数を減らしている学校(入試)も、男子校を中心に多く見られる。特に、男子難関校では前年900人台半ばと人気だった1日の早稲田(1回)が1割強減らしており、2.7倍だった21年の実倍率が予想倍率2倍台前半まで緩和しそうだ。

 ネット出願の普及で、締め切りギリギリでの出願も増加傾向にある。7月模試で緩和傾向にあっても、その状況を見て志望する受験生が集まることも考えられるので、11月模試の志望者動向を確認した方がより本番の入試に近いだろう。