入社3年目のこと。40歳をちょっと過ぎるまでに株式投資で生涯賃金2億円を稼ぐことを決意した。でも、投資はまったくの素人だった。そこで、サラリーマンとして忙しく働きながら、株式投資の入門書を買って勉強するところから始めた。最初は短期売買を繰り返して失敗したが、より落ち着いて取引できる中長期投資に方向転換したところ、“勝ちパターン”が見つかった。どんどん資産を増やし、当初の計画前倒しで資産2億円達成!『10万円から始める! 割安成長株で2億円』の著者・弐億貯男が、すべての会社員におすすめの投資スタイルを手取り足取り伝授する。
一歩踏み込んだ
銘柄チェックのポイント
銘柄選びでは、次のような指標でクロスチェックすることもあります。
①通期業績見通しに対して中間決算時の業績進捗率が50%以上か?
業績の季節変動が大きい事業を手がける会社は別として、中間決算時に業績進捗率が50%以上であれば、通期見通しを達成できる可能性が高く、業績が順調に推移していると見ます。
逆に業績進捗率が50%に満たないと、下半期のどこかで通期見通しの下方修正を発表する恐れがあります。
そうなると株価が下落することもありますが、決算短信や決算説明資料を確認して、業績の未達理由に納得できる説明があれば問題なし。
むしろ割安株と判断して投資します。
②直近で株価が急騰していないか?
株価が急騰すると利益確定したい投資家の売りで、株価が調整(下落)することが多いです。
そのため、株価が急騰しているときは深追いせず、下落してくるのを待つくらいのほうが安全です。
なかなか値下がりせず、買うタイミングを得られなかったら「縁がなかった」とすんなり諦めます。
③中期経営計画のある会社か?
中期経営計画があると、その会社の2~3年後の成長イメージをつかみやすいです。
ただし、数値目標に対する達成根拠がきちんと書かれているかをチェック。
その説明に納得できるなら投資します。
「信用取引」に手を出さない
私は兼業のサラリーマン投資家でありたいと思っています。
それだけに株式投資は余裕資金の範囲内でやると決めています。
だからこそ、身の丈に合わない「信用取引」には手を出してきませんでした。
信用取引とは、証券会社に担保として「証拠金」を預け、その金額の最大3.3倍(ネット取引では約2.85倍)の株式を取引できるもの。
証券会社は「少ない資金でより大きな利益を狙えます」と信用取引のメリットを強調しますが、裏を返すとそれだけ大きな損失を抱えるリスクもあるということです。
加えて信用取引では、預けている証拠金が一定の水準を下回ると不足分の証拠金を追加で差し入れなくてはならない「追証(おいしょう)」というルールもあります。
私が資産を大きく増やした2003~2006年は、新興市場の株価が大きく上昇し、信用取引を利用しての含み益が1億円を超えた投資家が数多く生まれました。
そこでセミリタイアした後の暮らしの夢を熱く語っていたブロガーも多かったのですが、その多くの更新が止まり、以後、消息不明となってしまいました。
私はリーマンショックの影響で最大900万円の含み損を抱えたタイミングもありましたが、仮に信用取引を手がけていたら、そこに至る前にその何倍もの損失を抱えて資産をすべて吹っ飛ばし、株式市場から退場していたでしょう。