入社3年目のこと。40歳をちょっと過ぎるまでに株式投資で生涯賃金2億円を稼ぐことを決意した。でも、投資はまったくの素人だった。そこで、サラリーマンとして忙しく働きながら、株式投資の入門書を買って勉強するところから始めた。最初は短期売買を繰り返して失敗したが、より落ち着いて取引できる中長期投資に方向転換したところ、“勝ちパターン”が見つかった。どんどん資産を増やし、当初の計画前倒しで資産2億円達成!『10万円から始める! 割安成長株で2億円』の著者・弐億貯男が、すべての会社員におすすめの投資スタイルを手取り足取り伝授する。

【弐億貯男の株式投資で2億円】株価の成長性判断に欠かせないチェックポイントPhoto: Adobe Stock

経営トップのインタビューで
数字に表れないことも読む

私は銘柄選びをする際、数字で表せる「定量的」なデータだけでなく、数字では表せない「定性的」な情報も、その会社の株価の成長性を推し量る判断材料にしています。

前回まで紹介した定量的な5つのポイント以外にも、私が「割安成長株」を見つける判断材料にしているのは、定性的な社長インタビューの動画です。

社長インタビューは、個人投資家向けのインターネット配信サイト『ストックボイス』(www.stockvoice.jp)で視聴して、投資判断の材料にしています。

先日、買収した会社の株を買却して利益を得る投資ファンドの「出口戦略」で上場した、ある企業の社長インタビューを視聴しました。

そこでは外部から招聘されたプロ経営者の社長が、自社事業の足元の経営数値について説明したうえで、従業員の生産性をどのように引き上げて、増益につなげていくのか、数値的な根拠も提示しながら説明していました。

私はこの社長の説明を視聴しても、投資したいという意欲がまるで湧いてきませんでした。

なぜなら、経営トップが、売上高、利益率、販管費率(売上高に占めている販売管理費と一般管理費の比率)の実績や推移など、数字ばかりで自社の魅力を語ろうとしていたからです。

その会社の大株主が投資ファンドや機関投資家であれば、定量的なデータをベースに「数字で説明せよ」「数字しか信用しない」というカルチャーが築かれるのかもしれません。

投資ファンドや機関投資家では、基本的に数字に現れない定性的な情報によって、投資判断をすることはないからです。

しかし、私としては、経営トップが数字以外で事業の成長性を熱く語っていたり、インタビューの受け答えなどから人間的魅力みたいなところを感じたうえで投資をしたいのです。

これは投資ファンドや機関投資家とは違って、すべてを自己判断で意思決定できる個人投資家にしかできない強みといえます。

余談ですが、サラリーマン投資家にとっては、経営トップが語りかける動画を観ることは、日々の仕事にも役立ちます。

投資家にわかりやすく語りかける姿は、視点を替えると営業トークや効果的なプレゼンにも応用できるからです。