全米初のワクチンパスポートの導入!

NY州のワクチンパスポートアプリ「Excelsior Pass」NY州のワクチンパスポートアプリ「Excelsior Pass」

 ニューヨーク市は9月13日から全米の都市初の試みとして、特定の屋内施設の利用にワクチンを接種していることを条件とする、いわゆる「ワクチンパスポート」制度を導入しました。該当する施設には、レストランやカフェなど飲食店、スポーツジム、美術館、映画館、劇場などの娯楽施設が含まれ、これらの施設に入場する際には、ワクチン接種証明の提示が求められます。

 地元ニューヨーカーたちは、州や市が提供するスマホの専用アプリにワクチン接種情報を登録したり、米疾病対策センター(CDC)公式のワクチン接種カードを使ったりして、入店に利用しています。

 国外からの訪問者でも、公的なワクチン接種証明書があれば同様に入店可能です。証明書には氏名、生年月日、ワクチンの種類、接種日、接種場所が書かれていることが条件になります。なお、日本で接種が始まっているアストラゼネカのワクチンはアメリカでは未承認ですが、接種証明としては有効です。

■ワクチンパスポートの対象ワクチン一覧
・URL:https://www1.nyc.gov/assets/doh/downloads/pdf/covid/keytonyc-vaccine-list.pdf
全米初のワクチンパスポートやアジアンヘイトはどんな状況?NYの現地ルポ
車道に設けたアウトドアダイニング車道に設けたアウトドアダイニング

 証明できない場合や、ワクチンを接種していない場合でも、レストランのテラス席など屋外の利用は可能。ニューヨークでは、昨年夏以降、飲食店救済策の一環で、車道や歩道などのスペースにテラス席を設置できるようになり、今や大半の店舗が屋外のテーブルを設けています。

タイムズスクエアの様子タイムズスクエアの様子

 ニューヨークでは現在、国外・州外からの訪問者に対する隔離義務はありませんが、アメリカ政府の措置に準じ、入国時にウイルス検査の陰性証明が必要になります。検査は出国の72時間以内に受けたもので、核酸増幅検査(PCR検査含む)または抗原検査のいずれかに限ります。

 これに加えアメリカ政府は、入国前にワクチン接種の完了を義務づける方針を新たに発表しました。措置が開始される11月上旬以降は、航空機の搭乗前に接種証明書の提示が必要になります。

エンパイアステートビルを臨む通り(フラットアイロン地区)エンパイアステートビルを臨む通り(フラットアイロン地区)

 ホテルはニューヨーク市が定めるワクチンパスポート制度の対象外ですが、一部のホテルは独自にワクチン接種証明の提示を求めているところもあるので、予約前に問い合わせておくとよいでしょう。

【豆知識】
 観光やビジネスでの旅行者がいまだ大幅に少ないこともあって、ニューヨークのホテルは値段設定を格段に下げているところがあります。これを機に、普段は手が届かないようなラグジュアリーホテルをチェックしてみてもいいかも?