今後の変化を見越して参入も
現在は輸出向け製造が大半

――事業立ち上げ当初は、今後拡大する国内市場への販売を想定してこの事業を始めたのですね。

社長 いや、それはむしろ輸出をメインに考えていました。長期的には国内でも靴の需要が増えていくとは思っていましたが、それよりもミャンマーの安い労働力を活かして、近隣諸国へ輸出することのほうが、より現実的な選択肢でした。実際、生産した靴の10%は国内市場向けで、残りの90%は輸出に回しました。

――輸出先はどこが多いのですか。

社長 米国や欧州は、経済制裁があったため輸出できませんでした。現在の輸出先は、実は日本だけです。ただ、今後経済制裁が解除されれば、米国や欧州への輸出もできるようになります。市場規模としては、これらの地域はやはり非常に魅力的です。我々は日本向けの生産をしっかり行ってきているので、他のどの市場にも販売できる品質の製品を作ることができると自負しています。

(注)インタビューは米国による経済制裁の大幅緩和前に行なっております。

――現在は、これらの新しい地域向けの生産を行う余力はどの程度あるのですか。

社長 現在は月に600足製造していますが、工場自体の製造余力は3000足まであります。現在は、日本への輸出のみに減ってしまっていますが、受注があればすぐにでも製造できます。

――この場所の工場を選んだ理由は、港が近いからですか。

社長 そうです。原材料も国外からほとんど輸入しているし、また製品も輸出の比率が高いので、海運での利便性を最優先で考えました。ここは、川岸の港まで約15キロメートルと比較的近いのがメリットです。

――原材料はどこから調達していますか。

社長 皮は主にパキスタンから仕入れていますが、インドや中国の場合もあります。また、内側の布は中国やタイからです。あと化学材料は、イタリアと中国、タイからです。