きゃりーぱみゅぱみゅさんも参拝した神社の神様は「美容の神」
私たちの生活には、いろいろなところで神様の存在を感じられることがあります。身近なところでは、「初詣」。受験生なら「合格祈願」。ビジネスパーソンなら「商売繁盛」。名だたる経営者も、日本の歴史をつくった戦国大名や歴代天皇も、神様を信仰し、力を借りて成功を収めてきました。漫画やゲームのキャラクター名でつかわれていることもあります。もしかしたら、ヒットの要因は、神様のご利益かもしれませんね。
日本には、八百万(やおよろず)の神様がいると言われています。膨大な神様の中から100項目にわたって紹介する新刊『最強の神様100』には、古代から現代まで、めちゃくちゃ力のある神様が登場します。最強クラスの神様なので、ご利益も多種多様。
今回登場する神様は、オモダル・アヤカシコネ。アパレルや美容関係、水商売の人に人気の神様です。東京・原宿にひっそりとたたずむ穏田神社には、きゃりーぱみゅぱみゅさんが参拝されたとか。
容姿がキレイになり、欲しいものが手に入る
オモダルは「重い~ダルい~」ではなく、「完成した」「不足なし」の意味で、古事記では淤母陀琉(おもだる)、日本書紀では面足(おもだる)です。アヤカシコネは「あやにかしこし」で、「何とも恐れ多い」の意味です。両神は兄妹で、意味を足すと「何とも恐れ多いことですが、面(外見)に不足ありません」で、「美容の神」。キレイになりたい人は要注目の神様ですね。
古事記・日本書紀にて、天地創造のときに現れた七代の神の中で、両神は第六代の神とされます。ちなみに第一代はクニノトコタチ、第七代はイザナミ・イザナギです。数字は現れた順で、「お笑い第〇世代」のようなものです。
中世にオモダル・アヤカシコネは、仏教の第六天魔王と同一視されました。天上界の中で欲にとらわれた最も人間に近い世界「六欲天」最強の魔神です。
織田信長は第六天を信仰し、「第六天魔王の化身」と人々に恐れられました。延暦寺を焼き討ちしたことで、仏教徒から「信長は第六天魔王だ」と悪口・仇名として言われていたようです。第六天魔王は元々ヒンドゥー教の神で、仏道を邪魔する魔神。最強の魔神ですから、漫画『ドラえもん』のジャイアンのように、「俺のものは俺のもの、お前のものも俺のもの」で、欲しいものを手に入れるサポートをします。
第六天を祭る第六天神社(大六天神社)は、関東を中心に存在し、西日本には皆無です。というのも天下統一後の豊臣秀吉が、信長と重なる第六天を恐れ、自身の拠点である西日本の第六天を祭る神社をすべて廃社にしたからです。
オモダル・アヤカシコネの神社は、さいたま市の武蔵第六天神社、東京都渋谷区の穏田(おんでん)神社など。武蔵第六天神社は耳の病や頭痛に効くとするニッチな信仰で知られます。穏田神社は表参道の入り組んだ路地にある小さな神社で、歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさんも参拝。アパレルや美容関係、水商売の人に人気です。
【主なご利益】身体健全、心身健全、技芸上達
【こんな人にオススメ!】
いい意味で欲深い人
*本原稿は、八木龍平著『最強の神様100』からの抜粋し、再編集したものです。
八木龍平(やぎ・りゅうへい)
1975年、京都市生まれ。博士(知識科学)
スピリチュアルな感覚を活用する社会心理学者
科学とスピリチュアルを組み合わせた今までにない「神社分析」が好評を博し、『成功している人は、なぜ神社に行くのか?』(サンマーク出版)はまたたくまに27万部超のベストセラーに。
NTTコムウェアのシステムエンジニア、富士通研究所シニアリサーチャー、北陸先端科学技術大学院大学・客員准教授、青山学院大学・非常勤講師などを歴任。性格分析やコミュニケーションの学術論文を出版する社会心理学者である。2006年度コンピュータ利用教育学会(CIEC)学会賞・論文賞。
現在は武蔵野学院大学・兼任講師として「情報リテラシー」を教えるかたわら、ブログや神社ツアーで「リュウ博士」と呼ばれ活躍中。全国の企業・団体での講演や、神社ツアーには、毎回多くの参加者が集まり、人気を博している。
著者からのメッセージ
「神は人の敬によりて威を増し、人は神の徳によりて運を添ふ」
鎌倉時代に制定された「御成敗式目」の第一条に記された言葉です。意味は、神様は人間の敬う心によってそのお力を増し、人間は神様の徳をいただいて運を開く。この神様の徳こそ、ご利益です。
御成敗式目は、鎌倉幕府の第3代執権・北条泰時が中心になってまとめた日本初の武家政権による法令です。武士にも一般庶民にも大きく影響を与えたこの法令は、神様と人との関係を説くことから始まるわけですね。
神様と人との関係は一方通行ではありません。お互いを助け合い高め合う存在。神様のお力をいただく「開運」は、このお互い様の関係の中で起こることを、読者の皆様にご理解いただければ、本書を出版した甲斐があります。
神様のやりたいことを助ける人は、神様から多くのプレゼントを受け取るでしょう。
本書を、神様との「良き隣人関係」を結ぶ一助としてくだされば幸いです。
本書の見方
古代から現代まで、めちゃくちゃ力のある神様が登場しますが、最強クラスの神様たちなので、ご利益も多種多様。あなたにピッタリな神様を見つけていただくためにも、本書の見方を紹介いたします。
■ナンバリング
本書では、何度も登場する神様がいます。本を活用する機会が多いはずなので、各項目初出のみ、数字を入れています。
■神様の特徴
同じご利益でも、性格が違います。神様の個性を表したご利益となります。
■神様を祭る寺社
神様を祭る代表的な神社・お寺を紹介。P271には、ご参拝におすすめの神社をピックアップしています。
■神様のご利益
神様が最も得意とするご利益を全21項目から主な3つを紹介。P255にはご利益別索引があるので、自身が欲するご利益ごとに神様を探せます。
■こんな人にオススメ!
人によって、職業も年齢もバラバラ。よりイメージしやすいように、あなたと神様とのマッチングをお手伝いします。
新刊書籍のご案内
『最強の神様100』
八木龍平著、定価1650円(本体1500円+税)、ダイヤモンド社
第1章では、日本の国が始まった最初の最初、弥生時代から古墳・飛鳥時代に大きな力を発揮した神々をご紹介します。日本で一番古い神社の神様など、神々の最長老ぞろいの第1章はご利益のスケールも大きく、「人として成長したい方」に特におすすめです。
第2章では、怨霊が不幸をもたらすと人々が本気で恐れた奈良時代から平安時代に、大きな力を発揮した神々をご紹介します。鬼から守る神様、今年の福徳をもたらす神様など、長く繁栄した神々ぞろいの第2章は、「不幸体質から幸運体質になりたい方」に特におすすめです。
第3章では、大きな戦乱が起こった鎌倉時代から戦国時代に、大きな力を発揮した神々をご紹介します。戦わない勝利の神様、宇宙根源の究極神など、人々が最も力を欲した時代にふさわしい神々の強者ぞろいの第3章は、「強力なパワーが欲しい方」に特におすすめです。
第4章では、安土桃山時代から江戸時代に大きな力を発揮した神々をご紹介します。「あとひと押し」をくれる神様、思いがけない知恵をもたらす神様など、新時代を切り開いた神々ぞろいの第4章は、「新しい流れを呼び込みたい方」に特におすすめです。
明治時代から昭和初期に大きな力を発揮したカリスマな神々ぞろいの第5章は、その道を究める神様など、「魅力を磨きたい方」におすすめの神様をご紹介。現代に大きな力を発揮している龍神さんや犬神さんなど、人間の要望に積極対応する神々ぞろいの第6章は、「大舞台で力を発揮したい方」におすすめの神様をご紹介します。
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