「恩返し」をすると、
自然とチャンスが巡ってくる

 もちろん、毎回、そんなことが起きるわけではありません。

 だけど、僕の会食に参加してくださるのは経営者をはじめとした、一生懸命に人生を生きている人たちですから、誰かの「ビジョン」や「悩み」にみんなが共感して、すごく前向きで良いエネルギーの会になることはかなり多いものです。そして、そのような「場」を提供した僕に対して、しばらくたってから、感謝の気持ちを伝えてくださるような方もいらっしゃるのです。

 先日も、こんなことがありました。

 7人の経営者を集めて会食をしていたときのことです。みなさんは初対面でしたが、僕とは付き合いの長い人ばかり。はじめは経営にまつわる話題が展開されましたが、ひとしきり盛り上がって、一息ついた頃に、ある人がポロッとこんなことを口にされたのです。

「そういえば、金沢さんと初めて出会ったのは、本当に会社が潰れそうなときだったんだよな。あのとき、金沢さんがすごい励ましてくれて、前向きになれたんだよ」

 すると、「俺も」「俺も」と他の人々も同じような話をしてくれました。

「俺も、金沢さんに出会ったときのことはよく覚えてるよ。来週、資金調達できなかったら会社が潰れるってときでさ……」
「金沢さんが紹介してくれた人のおかげでヒット商品が出て会社がなんとかなった」
「金沢さんは、俺にとって福の神だよ」

 これは、嬉しかった。

 もちろん、そんなタイミングでみなさんと出会ったのは“たまたま”です。でも、僕は、会食などの場で、どんなに辛い話を聞いても、そこに「明るい材料」を見つけて、「明るい方向」に向かうことしか考えないし、口にしません。それが、少しでもみなさんの力になれたのだとしたら、本当に嬉しいことです。

 そもそも、僕自身が、大事に思っている人と巡り会ったのは、自分がしんどいときだったことが多い。そんなときに、励ましてくれたり、力を貸してくれたり、助けてくれた人だからこそ、心の底から感謝の気持ちが湧いてくるのだと思います。

 だから、僕なりに、その恩返しと思って、出会った人々の力になりたいと思って生きてきました。会食でいろいろな人をおつなぎしているのも、そんな「想い」が根底にあるのです。

 そして、このような関係性が、僕にチャンスをもたらしてくれます。

 会食の場で、保険の営業など一切しませんが、みなさんは当然、僕が“保険屋”であることを知っています。だから、ご自身に必要が生じたときには、真っ先に僕に連絡をくださるのです。

 例えば、出会って2~3年たったときに、突然、「3月決算で利益10億円くらい出そうです。決算対策したいんで、相談に乗ってください」などといったメールがポーンと届いたりするのです。そして、そういう関係性の経営者の「母数」が多ければ、まるで「棚からぼた餅」が落ちてくるように、こうした連絡が日々舞い込んでくるようになるのです(詳しくは、『超★営業思考』に書いてありますので、ぜひお読みください)。