プルデンシャル生命保険で「前人未到」の圧倒的な業績を残した「伝説の営業マン」である金沢景敏さん。営業マンになった当初はたいへん苦労しましたが、あることをきっかけに「売ろう」とするのをやめた結果、自然にお客様から次々と「あなたからサービスを買いたい」と連絡が入るようになりました。どうすれば、そのような営業スタイルを作り上げることができるのか? 本連載では、金沢さんの初著作『超★営業思考』を抜粋しながら、その「秘密」をお伝えしてまいります。

超一流の営業マンが、お客様との「会食」で密かにやっていることとは?写真はイメージです。Photo: Adobe Stock

「質」の高い会食を開催すれば、
自分の「価値」が高まる

 経営者などのアッパー層といかにコネクションをつくるか?

 これは営業マンにとって重要な課題ですが、僕は、試行錯誤の末に、少人数の会食という手段をメインに据えるようになりました。そのために、営業マンになって3年ほどは、連日夜の9時くらいまでお客様とお目にかかる営業活動に費やしていましたが、そのような営業活動は夕方には終えるようにして、夜は、連日のように会食をセッティングしてさまざまな方々と親交を深める生活スタイルへと移り変わりました。

 そして、よいご縁を広げるために、いろいろな工夫を重ねていきました。

 当初は、知人との共催で「社長合コン」を数多くやりました。これは、女性を呼ぶ合コンではなく、社長だけを集めて会食するというものです。例えば、不動産の営業をやっている知人が3人の経営者を呼び、僕が3人の経営者を呼んで、男8人で会食するわけです。

 同じ経営者として「ビジョン」や「悩み」を共有できるだけでも、参加者にはたいへん喜んでいただくことができました。時には、お互いのビジネスでシナジーを生み出したり、リソースを融通し合うことができることがわかって、その後、ビジネス上のパートナーになるようなこともありました。

超一流の営業マンが、お客様との「会食」で密かにやっていることとは?金沢景敏(かなざわ・あきとし)
元プルデンシャル生命保険ライフプランナー AthReebo(アスリーボ)株式会社 代表取締役
1979年大阪府出身。京都大学ではアメリカンフットボール部で活躍。大学卒業後、TBS入社。テレビ局の看板で「自分がエラくなった」と勘違いしている自分自身に疑問を感じて、2012年に退職。完全歩合制の世界で自分を試すべく、プルデンシャル生命保険に転職した。当初は、思うように成績を上げられず苦戦を強いられるなか、一冊の本との出会いから、「売ろうとするから、売れない」ことに気づき、営業スタイルを一変させる。
そして、1年目にして個人保険部門で日本一。また3年目には、卓越した生命保険・金融プロフェッショナル組織MDRT(Million Dollar Round Table)の6倍基準である「Top of the Table(TOT)」に到達。最終的には、自ら営業をすることなく「あなたから買いたい」と言われる営業スタイルを確立し、TOT基準の4倍の成績をあげ、個人の営業マンとして伝説的な業績をあげた。
2020年10月、プルデンシャル生命保険を退職。人生トータルでアスリートの生涯価値を最大化し、新たな価値と収益を創出するAthReebo(アスリーボ)株式会社を設立した。著書に『超★営業思考』(ダイヤモンド社)。