自動車・自転車部品Photo:PIXTA

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はデンソーやブリヂストンなどの「自動車・自転車部品/産業車両」業界7社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

自動車・自転車部品7社
4~7割超の大幅増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の自動車・自転車部品/産業車両業界7社。対象期間は21年4~6月の直近四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・デンソー
 増収率:77.3%(四半期の売上収益1兆3569億円)
・ブリヂストン
 増収率:45.7%(四半期の売上収益8119億円)
・豊田自動織機
 増収率:43.2%(四半期の売上高6169億円)
・シマノ
 増収率:65.9%(四半期の売上高1383億円)
・住友電気工業
 増収率:52.9%(四半期の売上高7877億円)
・アイシン
 増収率:76.0%(四半期の売上収益9775億円)
・小糸製作所
 増収率:69.8%(四半期の売上高1839億円)

 自動車・自転車部品/産業車両業界7社の四半期増収率(前年同期比)は、7社全てがプラスとなった。4~7割超の大幅増収となっている。

 軒並み大幅増収となった背景には、前年同期に当たる20年4~6月期に新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、大幅な減収になっていたことがある。こうした落ち込みからの反動増により、増収率が押し上げられた側面が強いのだ。

 では、コロナ前と比べると売り上げはどのような状況にあるのか。コロナ前と比べて「勝ち組」といえる企業はどこなのか。次ページ以降で解説する。