私たちの生活には、いろいろなところで神様の存在を感じられることがあります。身近なところでは、「初詣」。受験生なら「合格祈願」。ビジネスパーソンなら「商売繁盛」。名だたる経営者も、日本の歴史をつくった戦国大名や歴代天皇も、神様を信仰し、力を借りて成功を収めてきました。漫画やゲームのキャラクター名でつかわれていることもあります。もしかしたら、ヒットの要因は、神様のご利益かもしれませんね。
日本には、八百万(やおよろず)の神様がいると言われています。膨大な神様の中から100項目にわたって紹介する新刊『最強の神様100』には、古代から現代まで、めちゃくちゃ力のある神様が登場します。最強クラスの神様なので、ご利益も多種多様。
龍神にまつわるエピソード今回登場するのは、八大龍王。巨人元監督の故・川上哲治氏が参拝した勝負事の神としても知られています。

多くの龍神が出入りしている八体龍神社【龍神にまつわるエピソード2】Photo: Adobe Stock

大局を見通す直感と勝機をもたらす龍神

多くの龍神が出入りしている八体龍神社【龍神にまつわるエピソード2】八大龍王
イラスト/朝倉千夏

 龍神で最もポピュラーなのが、八大龍王(八大竜王)です。元は釈迦が悟りを開くときに守護した蛇神で、中国で龍信仰と習合して日本に伝わりました。そのご利益はわかりやすく、「勝負に勝つこと」「勝負ごとなどの流れをつかむこと」「夢や志を強い意志で達成すること」です。

 宮崎県高千穂町の八大龍王水神は、プロ野球史上唯一の9連覇を達成した読売巨人軍監督の故・川上哲治氏が、報道陣に秘密で参拝していました。元は雨乞いや治水の神ですが、巨人9連覇により、「勝負事の神」として知る人ぞ知る神社になります。

 八大龍王水神から北へ約1キロ、「もうひとつの八大龍王」と呼ばれる八大之宮もあるので、合わせてご参拝ください。両社とも境内に井戸があり、ご神水をいただけます。

 豊臣秀吉らが篤く信仰した竹生島神社には、ご祭神に「龍神」もいます。竹生島神社の八大竜王拝所(竜神拝所)では、崖下の鳥居に向かって、龍神への誓いを祈りながら「かわらけ(土器)」を投げます。かわらけに込めた祈りを龍神に託すわけですね。賽銭箱の上には龍神祝詞の文字が立てかけてあります。もしお時間があれば、2拝2拍手1拝の通常の参拝をする前に、2拝して龍神祝詞を唱えてください。約1分かかります。その後「かわらけ投げ」にチャレンジですね。

 竹生島神社ご祭神の分霊を迎え入れたのが、愛知県蒲郡(がまごおり)市の三河湾に浮かぶ竹島です。400メートル近い橋がかかった周囲700メートル弱の島で、島内に5つの神社があります。昭和天皇・皇后両陛下や、今の上皇陛下も皇太子時代に訪れるなど、皇室にも人気です。この竹島の奥に、八大龍神社があります。私個人の主観ですが、ここは龍神ハブ空港かと思うほど、多くの龍神さんが出入りしています。八大龍王がいるお社に近づけば近づくほど、風が流れているのを感じます。そのときに、「来ているな」と気づけば、具体的に願ってみてください。おすすめです!

【主なご利益】商売繁盛、必勝祈願、立身出世

【こんな人にオススメ!】
勘がよくなりたい人。ここぞの場面で力を発揮したい人

*本原稿は、八木龍平著『最強の神様100』からの抜粋し、再編集したものです。