熟年層は住まいに「癒し」を求めているのに対し、若年層は住まいを「プレゼンテーションツール」だと思っている――。そう分析した調査結果が発表された。時代が変わりつつある中で、人々が住まいに求めるものも変わりつつあるのか。それとも単なる世代の差なのだろうか。

 調査は、アサツーディ・ケイが行った「全国一斉住み力調査」。調査対象は全国に暮らす20~69歳の男女。回収サンプルは1376人。調査方法はインターネット。調査期間は2012年9月28日~30日。

20代、「ご近所づきあい」はNGだけど、
「シェアハウス」はOK?

 住まいに関する意識について、多くの項目で年代による違いが明らかになった。まず、「向こう三軒両隣とは、挨拶する仲でいたい」かどうかという質問に、「あてはまる」「ややあてはまる」と答えた人の割合は60代では81.2%と大多数だが、年代が下がるごとに少なくなり、30代では61.0%、20代では55.7%に。

 しかし、若年層が人との関わりを煩わしがっているのかといえばそうではない。「シェアハウスのように他人同士の暮らしでも、台所やトイレなどを共用するのは合理的だと思う」という考え方に共感するのは、30~60代では20~25%程度にもかかわらず、なんと20代では35.2%に上っている。このことからも「シェアハウス」という言葉が若い層、取り分け20代に馴染んでいることがよくわかる。中高年が言う「ご近所づきあい」に興味はなくても、共同生活を送る新しいライフスタイルとして注目される「シェアハウス」に惹かれる若い層は少なくないようだ。

 また、「自分の家に遊びに来た友人が、後で自分の家をどう評価するのかすごく気になる」かどうかについては、20代が最も気になる割合が高く(44.0%)、年代が上がるにつれて右肩下がりに。60代ではわずか17.4%だった。