ハライチ岩井がたどり着いた「努力しないように頑張る」方法ハライチ・岩井勇気さん (C)新潮社写真部

お笑いコンビ・ハライチの岩井勇気さんが著書2作目となるエッセイ『どうやら僕の日常生活はまちがっている』を上梓した。前作『僕の人生には事件が起きない』は10万部を超えるヒットを記録。現在は、お笑いだけでなく、ゲームの原作やプロデュース、漫画の原作などマルチに活躍するが、努力したくないのが本音だという。「頑張らないように頑張る」、岩井さん独自の仕事やストレスとの向き合い方について話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

「ストレス」をてんびんにかけて
行動している

――『どうやら僕の日常生活はまちがっている』では、スピーチを頼まれていた友人の披露宴をすっぽかしてしまったというエピソードが印象的でした。しかも、「終了ギリギリに間に合ったら、会場はどんな空気になるんだろう」と、岩井さんは会場に向かったんですよね…。

 俺は面倒くさがりなんで、頑張りたくないんです。だから、「努力しないように頑張る」のが座右の銘。つまり、面倒くさいことにならないように、面倒くさいことを頑張る。「ストレス」をてんびんにかけて行動しているんです。

――その瞬間にかかるストレスと、最終的なストレスを比べているということですか?

 そう。知り合いの披露宴のスピーチすっぽかしちゃって、本当なら行きたくないですよ。行ったら罵倒されるだろうし、責任を問われるだろうし。

 ただ、「披露宴をすっぽかす」状況なんて、人生でめったに起こらない。たぶんこれを逃したら、もう今後起こらないと思う。ここで会場に行かなかったら、どんな空気になるのか知ることができない。

 俺にとっては、会場に行って罵倒されるストレスより、会場に行かなくて(その空気を)知ることができないストレスのほうが大きいんです。

 よく忘れ物をするっていう話も前作に書きましたが、忘れ物をしてモノがなくなっちゃうことよりも、常に「忘れ物をしないようにしなきゃ」と思っていることのほうが、俺にとってはストレス。だから、モノをなくしたときも、しょうがないなって思っちゃってます。

 だって俺、常日頃からモノをなくさないようにしようと思うことがストレスで、そっちを取っちゃっているんだから。人には迷惑かけてますけどね。