レビュー
「無くて七癖」というけれど、口ぐせについても同じだろう。本人はあまり意識していなくても、つい口にしてしまう言葉はあるものだ。
なかには「どうせ、私なんて……」といった、やたらに自己を卑下して周囲を暗くするようなものもある。「だからー(、言ってるじゃないか)」といった攻撃的なものもあるだろう。こうしたネガティブな口ぐせはしばしば、責任を回避したい気持ちや自信の無さ、反対に自信を反映している。
本書『いちいち悩まなくなる 口ぐせリセット』は口ぐせを「長年自分を守ってきた“鎧”」と例える。問題はネガティブな口ぐせが、現実にネガティブな状態を呼び寄せるケースがあることだ。
例えば、何かのきっかけで「自分はダメだ」が口ぐせになったとする。最初は「ダメだけど、いつかよくなる自分」という自信の裏返しだったものが、いつの間にか「何をやっても本当にダメな自分」というイメージにすり替わるようなケースだ。それにもかかわらず自分を卑下することが妙なプライドとなり、無意識に周囲を見下すような態度を取ってしまうことさえある。