物流Photo:PIXTA

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は日本郵政、SGホールディングス、ヤマトホールディングスの「物流」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

物流3社は全て
前年同期比増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の物流業界3社。対象期間は21年4~6月の直近四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・日本郵政
 増収率:2.5%(四半期の経常収益2兆8641億円)
・SGホールディングス(佐川急便)
 増収率:9.4%(四半期の営業収益3475億円)
・ヤマトホールディングス
 増収率:7.1%(四半期の営業収益4198億円)

※3社とも収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の当該四半期の決算短信における開示方法に準じて、前年同期の経常収益・営業収益と増収率には同変更を遡及適応していない数字を用いている。

 物流業界3社の四半期増収率(前年同期比)は、全てプラスとなった。

 コロナ禍でEC(電子商取引)利用がより活発化し、物流業界のビジネスの需要は拡大している。そんな中、最も高い増収率を記録したのはSGホールディングス。増収の要因とは何だったのか。

 次ページ以降で詳しく解説する。